「なぁ王様よ。」

「.....なんだ」

「お前はこの世界が憎くないのかい?俺はどこか、希望みてぇな、なにか光があると思ってたよ。それがどうだ。今じゃ世界は良い方向に動いてるってのに、俺は何も嬉しくねぇ。全部アイツのせいだ。俺はアイツが嫌いだ。」

「.....それがどうした。あいつはもういない。あいつは世界が憎いまま死んでいった。かつて敵だったお前だって、あいつのせいで変わったんじゃないのか。」

「アイツがこの世界を、この時代を、どう思ってたかなんてどうでも良いんだよ。俺はこの時代を許さねぇぜ。俺やアイツや、あんたが負った痛みを、憎しみを、これから生きていく奴らは知らずに生きていく。これほど憎いことはねぇだろ?」

「.....お前がそう思いたいなら勝手に言っていろ。"オレ"は、あいつの愛した世界を、守っていくよ。」

「.....そうかい。あんたとはやっぱり、たとえ来世でもわかりあえないままなんだろうな。」

「そうだな。.....だけどお前とは、来世でも出会いたいよ。それが敵同士だったとしても、な。」






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「なぁ、ルシア姫。それでもあんたは、お姫様ごっこでも続けるつもりなのかい?」

「だったらなおさら、この名前を否定なんて出来ないじゃないですか。お姫様ごっこだったかもしれない。偶然なのかもしれない。それでも私は、"凍結の姫"を名乗ります。だって、この世界が愛しいから。」

「.....かっ!勝手にしやがれ。それでも俺は、お前が嫌いだよ。」

「.....いつか、レイフィとわかり合える時が来ると良いですね。きっとレイフィも、そう望んでいると思いますよ。」

「.....フン。」
















「いつか.....な」