『ゼロ』

私は釤それ釤以前の記憶を一切覚えていない。

自分の何十倍あるだろうかと思う程の体長を持った大きな怪物を目の当たりにした。両の目は濁った金色を宿していて、開けた大口からは刺々しい牙が何十本と覗く。釤それ釤の形は良く覚えていない。魚のような、そうでないような形をしていたように見えた。

私の周りには、倒壊した家の数々。周りの全ての建物が薙ぎ倒されて、遮られて見えなかった景色が、薄暗く、何処までも広がっていた。
代わりに、地面に這いつくばった、釤生物だったもの釤が、鼻を衝く臭いで噎せ返っていた。私の嗅覚を、味覚を、鉄の臭いが、味が、埋め尽くしていた。

私は、ただ立ち尽くしていた。「自分もこうなるのだろう」、「唐突に全てが終わるのだろう」、そんなことを、考えていた。夢も希望も何もない。むしろあったものすら忘れてしまうくらいだった。

血走った目で、固まった身体で、止まった呼吸で、私の活動は途絶えたようだった。けれど、怪物は私を残して、何処か遠くに消えていった。



良く覚えている、私の始まり。
大雨の日、足元を濡らす大量の塩水、周りに浮かぶ、血で血を洗う死体達。

何もなかった私の、『ゼロ』からの始まり。

こんばんは

こんばんは、てんです。

3月中、フィオとの合作PVの自分のパートを投稿し終えたらうごメモ活動停止表明すると思いますのでよろしくお願いします。

活動停止と言っても、もしかして気が変わったら何か小さいものでも投稿するかもしれないので、よろしくね。

とりあえず現状うごメモでは見る側も書く側も活動していないので、形だけと言ったところになりますかね。実際活動停止状態なので。

当然凍結の姫等の更新もなくなるかと思います。

楽しみにしてくれていた方、申し訳ございません。

Twitterの方ではかなり元気にやっています。絵を描くことが少なくなっただけのようなものなので、皆さんご理解願います。









「なぁ王様よ。」

「.....なんだ」

「お前はこの世界が憎くないのかい?俺はどこか、希望みてぇな、なにか光があると思ってたよ。それがどうだ。今じゃ世界は良い方向に動いてるってのに、俺は何も嬉しくねぇ。全部アイツのせいだ。俺はアイツが嫌いだ。」

「.....それがどうした。あいつはもういない。あいつは世界が憎いまま死んでいった。かつて敵だったお前だって、あいつのせいで変わったんじゃないのか。」

「アイツがこの世界を、この時代を、どう思ってたかなんてどうでも良いんだよ。俺はこの時代を許さねぇぜ。俺やアイツや、あんたが負った痛みを、憎しみを、これから生きていく奴らは知らずに生きていく。これほど憎いことはねぇだろ?」

「.....お前がそう思いたいなら勝手に言っていろ。"オレ"は、あいつの愛した世界を、守っていくよ。」

「.....そうかい。あんたとはやっぱり、たとえ来世でもわかりあえないままなんだろうな。」

「そうだな。.....だけどお前とは、来世でも出会いたいよ。それが敵同士だったとしても、な。」






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「なぁ、ルシア姫。それでもあんたは、お姫様ごっこでも続けるつもりなのかい?」

「だったらなおさら、この名前を否定なんて出来ないじゃないですか。お姫様ごっこだったかもしれない。偶然なのかもしれない。それでも私は、"凍結の姫"を名乗ります。だって、この世界が愛しいから。」

「.....かっ!勝手にしやがれ。それでも俺は、お前が嫌いだよ。」

「.....いつか、レイフィとわかり合える時が来ると良いですね。きっとレイフィも、そう望んでいると思いますよ。」

「.....フン。」
















「いつか.....な」



患う病気

独占欲と盲目な愛

世界滅亡の予言

恐怖心と思い込み

独り善がり

当然の明日

機械心

正義と偽善

妄想の絶対感情

臆病の殻

嘘つきの光

向こう側の絆

さよならとありがとう

最高最悪の机上論



それじゃあ











―――また明日。