PEL〜ポケモン調査隊連盟〜第六話
「なんなんですか副長!冗談にしても本気にしても雑だろ!!状況説明!!」
「てめぇこら、どさくさに紛れてタメ口使うなボケ!!こっちだって色々あんだよ小娘ごときがナメてんのか!!」
「あぁーっ!!?あんた副長のくせに何暴言吐いてんですか!!?よくもまぁ偉そうにしてやがりますねモンキー・D・ヘルゲイザーさん!!!」
「誰がモンキーじゃオラァァ!!!著作権考えてんだろぉなぁ!!?いいからとっととそこに直れぇぇい!!!」
「二人ともぉぉ!!もうちょっとボリューム下げて喧嘩してよぉぉ!!」
「うっせぇぞガキどもぉぉ!!!!人が寝てんのに気も使えねぇのかァァ!!!」
「というかお前は何故寝てるんだエクセルゥゥ!!!隕石来てるって言っただろぉっ!!?」
「うるさいから天誅ソーラービィィム!!!」
「え、ちょっ、なんで俺だけ・・・なぁぁぁ!!!!」
サボテン娘の放った天誅の光は、棺桶副長に降り注いだ。
その場に偶然居合わせた私達は、哀れみの目で彼を見た。
そして皆で言った。
『ご愁傷様です。』
「アホかァァ!!!」
なんか、怒られた。
「おいユノ!てか全員!なんだ他人事みたいに!!緊急事態なの!!ふざけてる場合じゃないの!!てかわかるだろわかってるだろカリバーンとエクセルは!!」
「いや、あたし寝てたし。」
「起きてる時聞いてたよね!?なんか分析してたよね!?」
「俺はあの・・・うん。」
「せめてなんか言えェェ!!!」
なんか、副長がいつにも増してうるさい。
「ったく・・・いいか?約二時間前、隕石が観測された。<突然>な。落下地点は<清漏の森>。避難勧告は出してある。」
「突然ですか・・・。」
「ああ。今回の任務は、ユノ、カナリアの二名にやって貰う。」
「・・・隕石を止めろ、とでも?」
冗談を交えたが、万に一つの可能性の覚悟はしていたので、顔色は変えなかった。
「いや・・・お前達にやって貰うのは、住民の避難誘導だ。」
「はぁ・・・でも、何故私達なんですか?」
「カナリアとペアを長らく組んでいたのはお前だ。今この場に残っているメンバーで、一番スピードがあるのはカナリアだからな。」
確かに、フロムが来るまで、カナリア先輩と良くペアを組んでいたのは私だ。けど・・・。
「でも、それだったら私と弟君でいいじゃないですか。」
不服そうな顔をして、カナリア先輩がぶつくさ言っている。
・・・そんなにフロムとがいいのだろうか?嫉妬と言うより、少し疑問が浮かぶ。
まぁ、確かにフロムとでいいと思うのだが。
「お前、フロムとイチャついて仕事しないだろ。」
「なっ・・・!?」
かっ・・・核心ついてきた!?副長のくせになんて素晴らしい発言を!?
今、私は初めてこの人を尊敬した。
カナリア先輩の反応は・・・!?
「やっ、やだなぁ!!私、弟君とイチャついたことなんてないですよ!そもそもそんなんじゃないし・・・。」
なっ・・・!恥ずかしそう!?こんな反応今までなかったのに!!なんで副長からの言葉だと・・・。
「・・・カナリア。」
「・・・・・・・・・。」
デカルディ副長は、真面目な顔で先輩の名を口にした。
するとカナリア先輩は、黙った後、少し悲しそうな顔をした。
・・・副長は、カナリア先輩の何を知っているんだろう・・・。
私がここに来た時は、彼女は既にPELにいた。
コウガ先輩はもっと前にいたらしいけど、カナリア先輩のことは良く知らないと言う。
カナリア先輩は何を抱えているんだろう。
けど、別にそこまで悪趣味ではないし、聞く気にもなれないので、その反応は見なかったことにした。
「頼むぞ、ユノ。お前は・・・。」
副長が私に何かを言いたそうにしたけれど、そのまま言葉を飲み込んでしまったので、
「はっきり言わないと噛み付きますよ。」
と、少し脅してみた。
「・・・頼りにしているからな。」
「!」
きっと飲み込んだ言葉とは違う物だけれど、思いがけず吐き出された言葉を、妥協して受け取ってしまった。
「・・・期待には、答えますよ。」
純粋な気持ちを、少し汚して受け取る時は、決まってこの言葉を使う。
「・・・少々時間を喰った。では、任務を開始してくれ。」
『了解!!』
To be Countinued.