PEL〜ポケモン調査隊連盟〜 第十三話

まずはコメ返をば。

suica
当たり前じゃないか。(真顔)

大切なことなので一回だけ言いました。

→うりくらげ
世界は今日も当たり前のように回るってとこで、なんか思いついた(は

小説でバトル物は無理だわ。

→ミジンコ
いやぁ、照れるっすねぇ///
羨ましいって、オイラもミジンコの画力とか羨ましいよ。

れ、連載希望!?どうしよう、ホントにやろっかな((

では、本編をどうぞ。



「意外と近かったわね。」

PEL本部を覆い隠す小さな森を二つほど抜けると、高々と掲げられた看板に、筆記体で書かれた青色の文字が浮かんでいた。
看板を付けられた大きめの宿は、看板の中心の真下を入り口にして、外装は茶色と焦げ茶色、さらに赤茶色のタイルで敷き詰められていた。

「さぁ!メイドシビルドンさんとご対面だ!!」

「さて、コーヒーの仇に一発殴るか。」

「問題起こすんじゃないわよ。」

私はドアノブに手を伸ばし、ゆっくりと手前に引いた。

小さく鈴の音が響く。

「いらっしゃいませ!何名様ですかっ!!?」

「うおわぁっ!?」

突然大きな声で出迎えに現れたのは、メイドシビルドンではなく、メイドシャンデラだった。
・・・意外と似合ってる。体の面積が広すぎて、入れることを諦めたメイド服が垂れてるようには見えるけど、カチューシャは違和感なし。燃えそうで怖いが。

「三名様で。」

ふざけ気味の言い方で、指揮官代行が三本指を顔の近くに添える。

「かしこまりましたっ!案内しますっ!!」

そう言ってウインクするシャンデラ。まさにバチコーンと言う音が聞こえそうな、躊躇いなしのぶりっ子。

それにしても、内装はけっこう贅沢だ。
加工されたテーブルや椅子、立派なカウンター、棚に綺麗に敷き詰められた瓶などの商品。
シャンデラだけに、シャンデリアもついてる。あれ、おかしいな、寒い。

とりあえず、他の客はグループ客らしきポリゴン2タマンタの二匹だけらしい。常連のようだ。だらしなく、ポリゴン2がカウンターに頭と口をべたりとくっつけている。

それにしても、コーヒーの仇はどこにいるんだ?
そうして考え込んでいると、カウンターの奥の扉を開けて、シャンデラがなにやら語りかけている。

「サターナぁ。お客さん来たから早くぅ。」

「うるさいわね!!どうせ私なんてブスなんだから、他人様から見たらただの変態よ!!どうせ興味本意で私のこと聞いたポケモンが親友に私の話したら思いっきりコーヒー吹かれてそいつがコーヒーの仇とか意味わかんないこと言って私のこと殴りにきてるんでしょ!?」

アイタタタ。持病の心臓病が。って違う。普通に心をえぐられてるだけじゃん。なんでピンポイントでそんなこと言い当てるかな。

「もぉ〜、サターナってば馬鹿だなぁ〜。そんな失礼な人がいたら私がとっくに炭にしてるよ〜。」

こっ、こいつ!!私が自首して罪悪感を拭おうかと考えていた希望そのものを炭にしやがった!!
ていうかなんだこいつ!!俗に言う小悪魔じゃねーか!!いやむしろ悪魔だよ!!いやそりゃそんな失礼な人炭にするのは賢明な判断だけど言うこと怖いよ!!

「ほっといてよ!!元はと言えばあんたが着せてるんじゃない!!」

「え〜?だってサターナ私より可愛いしぃ。実際人気出たしぃ。」

・・・もう私の罪は償えない結果に終わったのだ。ならばこのシャンデラと、奥にいるであろう、サターナと言うシビルドンをなんとかすべきか。

「あっとぉ、サターナって言ったっけ?そこにいる奴。出て来てくんない?真面目な話が聞きたいの。」

指揮官代行が、頬杖をつきながら話を切り出した。
お客様の要望を聞いて無視するわけにもいかないだろう。
奥の扉をそっと開け、暗がりにシビルドンが少しだけ目を覗かせている。
これだけ見ると、やはり戦慄のみが覗ける。

「なんですか?話って。」

シビルドンは静かに問いをする。

「そこだと、声を大きくして話さないといけないわね。あまり大きな声で話せる話じゃないんだけど。」

すると、シビルドンはおとなしくドアを開けて、その全貌を現した。

「はうっ!?」

思わず私は声をあげた。
女らしく、両手を体の前に添えたその淑女のように可愛らしい姿。
そしてまさかのメイド服持参である。

「「・・・可愛い。」」

少しの間があったにも関わらず、ロリータと同時に本音の言葉が漏れた。

「え。」

メイドのサターナ様は、ゆっくりと頭に両手を伸ばし、カチューシャがあることを確認する。

「ひああぁぁぁぁっっ!!!?」

顔を真っ赤にして、まさかの−−

「ワイルド・・・・・」

「えっ、ちょっ、まっ−−」

「ボルトォォォォ!!!!」

「守る!!!」

ガリガリと音をたてて雷撃を受け流すタマンタ

「サターナ!落ち着け!お客様だぞ!!」

「はっ!?」

どうやら我を取り戻したようで、サッと腕を引く淑女メイド。

「た、助かったわ、ありがとう、えっと・・・。」

「アクリル、だよ。どうぞよろしく。」

すると何故か静かにウインクをするヒラメだかエイだか。なんだ、このカフェはウインクが流行ってるのか。とりあえずキモい。

「ほら、やっぱりサターナ可愛いって言われてるじゃん。」

「うああ、もう言わないでぇ・・・・・。」

すると、恥ずかしげに顔を覆うサターナ様。テラ萌えます。擬人化したらペタ萌えます、きっと。

「あっはは。さて、可愛いメイド様。真面目な話をしましょうか。」

エクセル指揮官代行が、笑いながら再び話を切り出した。

「闇ギルドについて、知ってることを教えてくれるかしら。」

そうだ。私はコーヒーの仇を取りに来たんでも、仇に萌えに来たんでもない。闇ギルドの情報を聞きに来たんだ。

「その話、俺らも参加させてもらえないかね。」

顔をカウンターから離して、ポリゴン2が割り込みに入った。

「俺はソード。俺とそのアクリルは、この店の常連・・・てか、そこの店員二人と腐れ縁でな。毎日このカフェに来てる。」

「なら、貴方も闇ギルドの情報を何か知っていると?」

「というか、メンバーを目撃した。」

「なっ・・・!ホントに!?」

曖昧な情報に終止符を打てるかもしれない。当然、その話に魅入った。

「あの時は、『PELの情報を教えろ』だとかって、客として来てたキルリアピカチュウに迫ってたな。」

「ッ!?」

キルリア
ピカチュウ
つい最近記憶に刻まれたあの二人の姿が脳裏に浮かんだ。

「その客の名前はっ!?」

「え?えっと・・・『ライル』・・・と『エスナ』・・・だったかな。どっちがどっちか覚えてないけど。」

「やっぱり・・・!」

エスナという名前は聞き覚えがないが、ライルという名前は聞き覚えがあるし、最近の記憶と一致している。

「なに?あんたなんで客のこと聞いてんの?」

「その二人は、先日の隕石事故で出会った元人間と、感じの悪いピカチュウです。多分、あれから元人間の方に誰かが名前を付けたんだと思います。」

「なるほど。つまりあんたとカナリア接触していた二人から、あんたらの詳細を得ようって魂胆か。嫌らしい作戦ね。」

「ん?つーことはあんたがユノか。」

「え?なんで私の名前を・・・。」

ソードは、重々しい口調で、過去を紡ぐ言葉を連ねた。

「客の二人がだんまりを決め込むと、そのギルドメンバーが店から出てってな。しばらくしてその客らも店を出た。それから数分すると、店の外で嫌な音がしたんで、出てってみると、客の二人がギルドメンバーに襲われてたんだよ。助けに入ったら、ギルドメンバーの奴ら、どっか行っちまってな。その後、その客らから、あんたの話を聞いたわけ。」

「なんか悪質だね、闇ギルドって。」

「わかったわ。それで、そのメンバーの特徴は?」

「特徴ってか、種族はギガイアスとエネコだったぜ。エネコの方は、腰にダガーナイフを帯刀してたな。」

「正体隠さず、ね。それにしても、武器所持は最近禁止されたはずよね。闇ギルドの証拠にはうってつけだわ。」

「俺らの知ってる情報はそれくらいだ。」

「ありがとう。さて、すぐに本部に報告に戻りましょうか。」

「はい・・・・・。」

二つ返事で言葉を返すが、思考は情報の整理と仮定の作成に目一杯使っていた。

闇ギルドが正体を隠さずこのカフェに乗り込んで来たのにはどんな意味があるのか。
ゴーグルに手を伸ばそうとした瞬間、
「深く考えるな、若人よ!」
と、刺々しい体をホールドさせてきやがった親友。

「だぁっ、もう!集中させてくんない!?」

すると、にこやかに彼女は言う。

「休める時に休まないと、頭破裂しちゃうよ?」

そうか。今、私は思考に没頭する所だった。今はちゃんとわかる。ロリータの優しさを感じる。

「お客様、当店は、心を感じ、心を休めるカフェでございます。どうぞごゆるりと!」

フレアが店員モードに戻り、ウインクを決めた。

「そうね。じゃあ、少しここで休みましょうか。」

「・・・はい!」

feelhearts、か。
憩い場ってのはこういう場所のことを言うんだろうな。

私は、無くしたコーヒーの穴を埋める為、このカフェのオリジナルブレンドに手を付けた。

To Be Countinued.