「トリニティア」2話

「・・・今日も夕日が綺麗なことで。」

この村の名前は、『カルム・トーチ』。穏やかなたいまつ、という意味だ。
ここに限らず、世界中にある村は、季節によって輝きを増す村が多い。

ここ、カルム・トーチは、夕凪と言う意味合いも込めて付けられたという由来も多く、夕日を綺麗に映し出す。

俺は明日の帝都への出発に向けての準備に、依頼掲示板のあるギルド管理施設のドアを叩いた。

「おーいおっさん。」

「おう、どうしたアッシュ。これから仕事か?もう遅いし早く寝ろよ。」

この人はこの施設の管理人で、ニドキングのヘヴィというポケモンだ。歳は・・・四十一歩前。

「違うって。明日帝都に出発すんだよ。道中ついでに魔狩りでも出来たらって見に来たんだよ。」

「なんでまた帝都に。」

「夜季と障気の関連性を説きに行くんだと。」

「また不確定要素の多い話を・・・。」

軽い話を終え、掲示板を眺める。掲示板には、二つしか紙が張られていなかった。

「Dランクと・・・Sランク?なんでSランクの依頼がこの村に・・・。」

俺は張られていたSランクの依頼の紙を取り、依頼内容を見通した。

「帝都から・・・?『助けて下さい』?なんだこの怪しい文面。」

その紙に書かれた字は、『綺麗な字』とイメージ出来るような達筆だった。書道のようなではなく、字のお手本のような。
俺のギルドは、到底Sランクの依頼なんてこなせるレベルじゃなかったが、怪しい文面と、一致した目的地に、妙な違和感を覚え、俺は、
「おっさん、この依頼、受けさせてくれよ。」
と言った。

「あん?Sランクはお前のギルドにはまだ早い−−」

ガシャアァァン!!!

「何だ!!?」

外から突然聞こえた、何かが壊されたような音に、俺とヘヴィのおっさんは外に出た。

「あっ、アッシュ!!」

外では、数匹のヒヒダルマと、メープル、ラットが交戦していた。

「どうなってんだ!結界は作動してないのか!?」

「セラとダストが結界コアのとこへ向かってる!とりあえずこいつらなんとかしなきゃ!!」

「なんだってんだ、ったくよぉ!!」

俺は背中に背負っていた剣を抜き、二人の間を走り抜ける。

「援護頼むぜ、メープル、ラット!」

「だったら突っ込むなアホ!」

メープルは冴えたツッコミをしながら、自らの武器の『棍』を華麗に振り回す。

「ラット!」

「ハイ!」

ラットはメープルの正面に滑り込む。その背中には『盾』が括り付けられている。
メープルはラットの背中の盾に垂直に棍を突き立て、そのまま重力を振り切って空へ跳ぶ。

(挿絵)

そのメープルを追いかけるように、一匹のヒヒダルマが跳躍する。

「点穴衝!!」

メープルの棍は、一匹のヒヒダルマの眉間を直撃し、ヒヒダルマは風を切り後方に飛んでいく。

「そら、アッシュ!」

空を制す彼女は、活気のある声で俺に呼びかける。メープルは既に、『突き』の体勢から『叩き』の体勢に入っていた。

「圧落激!!」

空を駆けるかの如く、メープルは別のヒヒダルマを上から叩き落とし、俺の剣の届く範囲へ移動させる。

「轟砕剣!!」

俺は剣を、落ちてきたヒヒダルマに向け下から振り抜き、吹き飛ばした。そいつは他のヒヒダルマを巻き込み、村の外へ飛んでいく。
吹き飛ばされたヒヒダルマ達は、その場で気絶した。

「ちょろいな。」

俺が背中の鞘に剣を収めると、メープルが上から俺の背中をドロップキックした。
そいつはそのまま後方へ一回転して着地した。

「ナイスキャッチ」

「してねーよ!」

ヒヒダルマの軍団は、目を覚ますと遠くへ逃げて行った。

To Be Countinued.



あとがき

長くなっちまいました。
トリニティア2話です。
挿絵の部分は、余裕があったらミジンコに描いてもらって、完成版を再度UPします。ミジンコには言ってないけどね!!((氏
負担はかけたくないので、極力挿絵は付けない方向性ですが。

・・・にしても俺、ダイアリーストーリー三つ掛け持ちて。
そして問題。ラットどうやって盾を使わせるか((



コメ返変?((

Flash
オイラは昨年ライブビューイングを友人と見たなぁ。今年もその友と相談かなぁ。


P.S.
ミジンコが描いてくれたアッシュを転記しておきます。