ポケダン小説 PEL〜ポケモン調査隊連盟〜第五話

空気が凍り付く。
数分の沈黙が空気を染める。

状況の理解に苦しむ中、サボテン娘が口だけを動かした。

「いや、この数分ってもしかしたらすっごく重要になってこない?」

その声をなんとか耳に入れ、とりあえず、PELが冗談を言っているという可能性を切り捨てることにした。

「た、確かに、信じ難いけど、重要になってくるよね!この数分間!!」

作り笑いを浮かべて、皆に意見を煽る。

なんか自分に違和感を覚えるが、皆も同じ感覚を自分に感じているだろう。

「とにかく、本部に戻ろう。詳しい情報がないと、こっちも下手に行動出来ないからな。」
「そう・・・ですね。」
コウガ先輩の提案を受け、とりあえず、本部へと足を早めることにした。


一方その頃PEL本部。
上層部会議室。

「一体どうなってる!!隕石はつい先程まで観測されていなかったぞ!!」
デカールが声を荒げる。

「まぁ待ちなさいよ、ヘル。」
デカールをヘルと呼ぶ彼女は、あの幻のポケモンビクティニだった。

「こういう時は、逆に推測出来るでしょ。今まで観測されなかったってことは、隕石は<突然現れた>ってこと。」
頬杖を付き、彼女は冷静に推測した。

「これは完全に犯人がいるってことになる。」
「犯人!?アルセウスとでも言うか!だが何故!?何の為に!!?」

ビクティニはため息を付き、デカールから視線をそらしながら言った。
「本人に聞けば・・・?」
再びデカールに視線を戻して言う。
「よくそんなナリで副司令官になれたわね!!」
「エクセル・・・!貴様ァ・・・!!」
デカールは彼女−−エクセルを睨みつけた。

「身をわきまえろ!!無駄な口論をしている場合か!!!」
その場を一閃するかの如く、場にいたガブリアスが怒号を鳴らす。

「<清漏の森>の住人に、避難勧告は出したのか!!?原因究明と人の命のどちらが大事か言ってみろ!!返答次第ではここを出ていってもらう!!!」「ぐっ・・・!」

怒号の後は沈静が場を染めた。

「ほらまた怒鳴る・・・。いくら正しいこと言ったって、そんなだから幹部止まりなのよ・・・。」

机の上に腕を組み、そこに顔をうずめた彼女は、自分は関係ないとばかりに寝息をたてた。

「避難勧告は出した・・・。ただ、止められる程簡単に砕ける脆さの物じゃないさ・・・。」
反省の色を浮かべたデカールは、静かに口を開いた。

「なら次の手を考える。そうだろ?デカルディ。」
両膝を付き、遠い目をしながら、ガブリアスが続けた。

「貴様がそんなあだ名を付けるから、私は馬鹿にされてるんだ。」
皮肉ぶった口調で、デカールが返した。
「だが・・・やっぱり私はそれで・・・いい。お前で良かったんだ・・・副司令官は・・・。」
心の奥の感情を引っ張り出すように、俯いたまま続けた。

「言ってる場合かアホ。」
「少しは何かないのかカリバーン!」
即答でデカールが突っ込んだ。

「僭越ながら皆様、ユノ様達がカナリア様達と同時にお帰りなられました。」会議室に、一匹のギギギアルが入って来た。


「・・・丁度いい、ユノとカナリアを呼べ。緊急任務だ。」

To Be Countinued.



後書き
デカールとデカルディのどっちが正しいか、時々わからないことがあります。途中まで逆で書いてましたw
なんか今日文章長いし。