もう一年

触れるのが怖くて
他人事だと笑った

でもね
上手く笑えないんだ
昨日のことなら
忘れられるのに

明日を
繰り返せば
きっと今は
昨日になって
笑い方も
思い出せる

だけど

忘れてしまったとき
始めて気づいたよ
失った物は全部
誰かの中で

僕の中は
今誰かとの
笑う声で
満たされてる

君の中は
今誰かとの
笑う声で
満たされてる


触れるのが怖くて
偽善だけを遺して
笑った

でもね
それで精一杯なんだ
それで関係ないフリ
したんだ

明日を
繰り返したら
きっと今は
昨日になって
泣き方は
忘れてしまう

だけど

忘れてしまったとき
始めて気づいたよ
今までと同じように
笑えたこと

僕の中は
今誰かとの
笑う声で
満たされてる

君の中は
今誰かとの
笑う声で
満たされてる


君との笑い方を
覚えていた
僕の声は
今この胸の中に

君との笑い方を
忘れてしまった
君の声は
今その胸の中に


君の声も
姿も全部
わからない僕は
君との
笑い方も
もう何もかも
何処に置いとけば
いいかわからなくて

だからせめて
残しておこうと
思ったんだ
忘れてしまわぬように
忘れてしまえるように

僕の中は
今誰かとの
笑う声で
満たされてる

君の中は
今誰かとの
笑う声で
満たされてる

君の中は
今誰かとの
笑う声が
満たしてくれる

君の中で
今日も誰かとの
笑う声が
満たされてく

笑う声が
満ちている
笑う声で
満ちている

笑う声が
聴きたくて
今日も僕は
誰かと笑う

今日も君は
誰かと笑う












東日本大震災のことを書いた詞です。
震災の半年後くらいに書きました。

きっとあの日のこと、誰もが目を背けて、誰もが直視しているんだ。
そう思うと、震災の後、残酷にも笑って生きてる僕が、残せる物はなんだ?
そう考えて、何か形にして残しておきたいと思いました。
何かしたかったんでしょうね、僕は。

だから、僕は、音楽で生きてみたい。

歌は、いつまでも歌われ続けると思います。

僕もいつか。



2011 3.11

for

2012 3.11